ドラッカーのイノベーションと企業家精神

新製品開発や新市場開拓を考える際におすすめの書籍がドラッカーの「イノベーションと企業家精神」である。 書籍の中で、イノベーションは思いつきで行うのではなく、体系的な分析視点を持つことで、成功確率を上げ、失敗確率を低くすることが大切なことを述べている。

体系的な分析視点として、イノベーションの機会を捉える7つの視点を解説している。

第1の機会 予期せぬ成功と失敗
第2の機会 ギャップの存在
第3の機会 ニーズの存在
第4の機会 産業構造の変化
第5の機会 人口構造の変化
第6の機会 認識の変化
第7の機会 新しい知識の出現

これら7つの視点でイノベーションの機会を探すことは、新しい価値を創造する上で、重要な切り口となるだろう。

また、同書の中で、企業家がとるべき戦略についての記述もある。総力戦略、創造的模倣戦略、柔道戦略、ニッチ戦略などが紹介されている。 どれも興味深い戦略であるが、特に、創造的模倣戦略や柔道戦略は、新商品開発や新市場開拓の際に参考になるだろう。ヒト、モノ、カネなどの経営資源に劣る企業の戦い方が理解できる。

この書籍が世の中に出たのが1985年、今から30年も前になる。しかし、ここで紹介されている思考法は、現在も色あせないと感じる。 ユニクロ会長の柳井氏も事あるごとにこの書籍を読み返し、新しいビジネスへのヒントを得ると聞く。ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」新製品開発や新市場開拓を考える機会の多い方におすすめの書籍である。